お医者さんはお坊さん

医療現場から湧き上がるいのちの声を聞く

コラム

看取り

日常の生活では、人の死に立ち会うということはそう多くはない。しかし医療現場ではそれが頻繁に起こる。突然のこともあれば、長く入院されていて徐々に身体が弱っていくこともある。思い返せば様々な方の死があった。 先日も当直をしていると、つづけて同じ部屋で二人の方... 続きを読む

人間の故郷

「あんなふうになる前に死にたい」重い認知症の患者さんについて、このように言うのを病棟で耳にすることがある。それを聞く度に何とも言えない悲しい気持ちになる。認知症の患者さんには、食事の介助をはじめ、入浴介助、下の世話まで、看護師や介護職員が皆で行う。時には... 続きを読む

死産の母

(この記事は2014年10月15日の記事「悲しみ真っ直中で悲しみをこえる道」をもう一度受け止め直し『崇信』2月号向けに書き下ろしたものです。)これまで治らない病気のことを取り上げてきたが、もちろん病気が改善するということもあり、そこには喜びがある。病気になれば治し... 続きを読む

数ミリずれた白い線

  大学で医学研究をしていると、遺伝子を扱う技術が身につく。そのため遺伝子診断を担当することがあった。遺伝子というのはDNAのらせん構造でできており、DNAは四種の「核酸」と呼ばれる物質から成る。この核酸の配列によってタンパク質の種類が決定されるのだが、ある特定の... 続きを読む

自由境の在処

  前に取り上げたALS(筋萎縮性側索硬化症)について少し詳しくお話ししたい。ALSは全身の運動神経が障害される難病である。根治療法は未だなく、人工呼吸器を使用しなければ診断から数年で亡くなられることが多い。 運動神経が障害されると手足が動かなくなる。運動神経は手... 続きを読む

私の足を運ぶもの

  今日もいつものように痰を吸う音が聞こえる。彼の頸部には穴が空いており、管が入っている。私は彼のもとを週一回訪れるが、いつ行ってもお母さんがおられる。彼が脳の手術後寝たきりになってから、お父さんと交代で毎日病院に来られ、そうやって時折頸部の穴から痰を吸引す... 続きを読む

ほんとうの悲しみ

  私のいる受念寺は、軽費老人ホーム「受念館」と一体となった形をとっている。先代の住職が五十年程前に開設した。子供の頃から部屋を出るとすぐそこに入居者の方々がおられ、よく遊んでもらった。 時には最期を看取ることがある。先日も一人の女性が亡くなられた。新たに見... 続きを読む

老病死の意味

  「両上下肢の深部腱反射は亢進、舌に線維束攣縮が見られ…」「針筋電図は?」「明後日の予定です。」 毎週行われる神経内科カンファレンスの風景だ。しかしこの日のようにALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんが取り上げられるとき、心なしかいつもより空気が張り詰める... 続きを読む

間違った選択?

  病気の治療というのはいろいろな選択がある。薬や手術の種類も様々であるし、するかしないかという選択もある。医師はその都度最良と思われる選択枝を提示するが、何が「最も良い」のかということが難しい場合も多い。例えば寿命を延ばすという意味で「最も良い」のか、苦痛... 続きを読む

夕日と少年

  今月初め、少しインドに行ってきた。テーマは「仏陀の旅路」。『大般涅槃経』(マハーパリニッバーナ経、mahāparinibbāna-suttanta)に、仏陀釈尊が般涅槃される(亡くなられる)までの旅路が記されており、その道程を中心に仏跡を巡る旅であった。同時に大学を訪れ研究交... 続きを読む
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