お盆のお参りが終わりました。本年のお盆もたくさんの方と共にお念仏させていただきました。この4月に自坊に戻ってきたこともあり、例年よりも若干多くお参りさせていただいたと思います。顔なじみの方もあれば、お久しぶりの方、そして初めての方、いろんな方とのお参りがありましたが、またそれぞれに新たな出遇いをさせていただきました。

初盆でいまだ深い悲しみの中からのお念仏には、今自分はどのようないのちをいただき生きているのかということを改めて問われました。明治生まれの方のお念仏は、何かいのちの深いところから聞こえてくるようで、自分の浅はかさが照らしだされるようでした。大正生まれの方には、体調を崩しながらも、今年も力強い正信偈のお声を聞かせていただき、力をいただきました。様々なことがありながらもいつもと変わらない姿で迎えていただき、いつもと変わらないところで、いつもどおりに阿弥陀経を捧げる中から、変わらないことの有り難さがまた知らされました。お婆様を中心として、子、孫、ひ孫の世代まで集まられ賑やかな中で皆様でご唱和なさる正信偈からは、いのちがいのちを願い、そしてまた新たないのちを願う、そんな願いの繫がりを感じました。旦那様をなくされ一人家を守られている方のお念仏は、今もそこに旦那様が願いとなって生きているようでした。老いと病で今までできたことができなくなり周りの人もいなくなり、孤独とどう向き合ったらよいのか、という問い、今まさに目の前の問題に直面され、何のためにこんな苦しい思いをしなければならないのか、生きる依り所を失ってどう生きてゆけばよいのか、という問い、大切な問いもまたたくさんいただきました。戦争を体験された方々からは、悲惨な戦時中の貴重なお話も聞かせていただきました。

それぞれの生活、それぞれの人生から、それぞれのお念仏をいただきました。簡単にことばには表せないような貴重な時間を共に過ごさせていただくことができました。本当にありがとうございました。また、いつもこのブログを読んでくださっている皆様、このお盆の機会に訪れてくださった皆様、この場をお借りして御礼申し上げます。今後とも宜しくお願いいたします。
mantoue